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技術2026-01-0511 min

「そのメニューは昨日で終わりました」——AIに正しい記憶を持たせる挑戦

AIは何でも知っているように見えて、実は「昨日のこと」を知らない。飲食店のリアルタイム情報をAIに教える仕組みの話。

Bookmi技術チーム

2026-01-05

「季節限定の白桃パフェ、まだありますか?」

お客様からのLINE問い合わせに、私たちのAIは即座に答えました。「はい、ございます!」

問題は、白桃パフェは3日前に終了していたことです。

店長から怒りの電話を受けたとき、私たちは重大な欠陥に気づきました。AIは膨大な「一般知識」を持っているが、「今日の店のこと」を何も知らない。

AIの「記憶喪失」

ChatGPTやClaudeは、学習データに含まれる情報なら何でも答えられます。しかし、今日のメニューは?今週の営業時間は?先ほど売り切れた商品は?——これらは学習データに存在しません。

AIに「店の今」を教える方法が必要でした。

記憶を注入する

私たちが構築したのはRAG(Retrieval Augmented Generation)——AIが返答を生成する直前に、関連する店舗情報を「注入」する仕組みです。

お客様が「白桃パフェ」と聞いたら、AIに答えさせる前に、まずデータベースを検索します。「白桃パフェ」に関連する情報——価格、提供期間、残り在庫——を見つけ出し、その情報と一緒に質問をAIに渡します。

AIは「注入された記憶」を基に回答を生成します。

0.1秒で正しい記憶を見つける

しかし、検索には課題があります。お客様は「桃のデザート」と聞くかもしれないし、「ピーチパフェ」と聞くかもしれない。すべて同じ「白桃パフェ」のことです。

キーワード検索だけでは対応できません。私たちは「意味」で検索できるベクトル検索を導入しました。質問の意味とメニューの意味を比較し、最も関連性の高い情報を0.1秒以内に見つけ出します。

1秒前の変更を反映する

さらに重要なのは、情報の鮮度です。店長が管理画面で「白桃パフェ:売り切れ」とクリックした瞬間、その情報がAIの「記憶」に反映されなければなりません。

私たちは、メニューや在庫の変更がリアルタイムでベクトルデータベースに同期される仕組みを構築しました。変更から反映まで、平均1秒以内。

「ありません」が言えるAI

あの白桃パフェの件以来、AIは正確に「申し訳ございません、白桃パフェは季節限定で、3日前に終了いたしました」と答えられるようになりました。

そして、提案も添えます。「代わりに、現在は巨峰のパフェをご用意しております」

AIに正しい記憶を持たせることで、お客様に正しい答えを届ける。それが私たちのRAGの目的です。

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